私は普通のサラリーマンとして40年以上勤め、60歳で定年を迎えました。
幸い会社から雇用延長の話をいただきましたが、再雇用後の給与は現役時代の6割程度。手取り額を見た瞬間、「このままでは生活が成り立たない」という現実が突きつけられました。退職金を切り崩すだけでは将来が不安──そんなとき、軽貨物をしている友人が安定して稼いでいると知り、興味を持ちました。配送経験はゼロでしたが、「自分にもできるかもしれない」と思い、業界を調べ、中古の軽バンを購入。こうして軽貨物ドライバーとしての挑戦が始まりました。本記事では、最初の失敗から学び、半年後に生活を安定させるまでの実体験をお伝えします。
挑戦:未知の軽貨物業界へ
ある日、久しぶりに会った友人が「軽貨物ドライバーを始めてから収入が安定してきた」と話してくれました。
年齢も経歴も自分と大差ないその友人が、実際に稼いでいる姿を見て心が動きました。
配送経験はまったくありませんでしたが、「自分にもできるかもしれない」と思い、すぐに軽貨物業界について調べ始めました。
業界の仕組みや必要な資格、開業資金を把握したうえで、中古の軽バンを購入。個人事業主として開業登録を行い、保険加入や運送会社との契約を完了。
こうして、人生初の配送案件に挑む日を迎えたのです。
※この時点では会社は継続して勤務しております。 軽貨物で生活出来るレベルに到達するまではあくまでも副業(給料だけでは生活出来ないので)
試行錯誤と学び
初めての案件は配送マッチングアプリを通してネットスーパーの配送でした。
運転にも地図アプリの操作にも自信があり、「これなら問題ないだろう」と挑んだのですが、現実は予想以上に厳しいものでした。
1件目の配送先で、住所を入力しても家が特定できず、周辺をぐるぐる回ること30分。
結局、先輩ドライバーにヘルプをお願いすることになりました。
その際、先輩から「ゼンリンの地図アプリを使うと細かい建物情報まで分かる」と教えてもらい、すぐにインストール。
詳細な建物配置や入口位置まで表示されるため、それ以降は迷うことが激減しました。
この経験から、地図アプリだけに頼らず、配達エリアの特徴を事前に確認する重要性を痛感。
以降は、配送前にルートをチェックし、建物の特徴や進入路をメモする習慣を身につけました。
最初の失敗は恥ずかしいものでしたが、それが効率的な配送スタイルを築くきっかけになったのです。
しかし、その後配送マッチングアプリで配送の仕事を得る事が難しい(案件が少なく、当選出来ない)ことが判明
中古の軽バンを購入。個人事業主として開業登録までして挫折?
あれこれ探しているとアマゾンでもアマゾンフレッシュというネットスーパーの配達があり初心者でも出来そうな雰囲気
チャレンジしてみると以外とあっさり出来ました。
初心者でも出来るシステムでびっくりです。
とは言っても2回目で未配を出してしまいましたが笑
しかし、アマゾンフレッシュも継続的に仕事があるわけでもなく 継続的に続けられる仕事はないだろうかと模索を続けます。
アマゾンフレックス
X(ツイッター)で軽貨物をやられている方に質問をして交流を増やしていくと
アマゾンフレッシュではなくアマゾンフレックスへの挑戦を薦められました。
当時の自分はまるっきりの初心者でフレックスをかなり高い壁
ネットでアマゾンフレックスの作業内容、荷物の積み方、配送手順等々を調べて
いざ初日
フレックスにはマザーとデリプロのSTがあり事前調べによると初心者はマザーに行くべきの情報を見て
マザーSTのオファーに挑戦
マザーSTに到着するもアプリ上では到着になっていない!?
ちょうど駐車場に軽バンが停まっていたので(フレックスで待機している方と判断)アプリを見せると
これってデリプロSTだよ
???
頭がパニックに・・・
なんとマザーSTでエントリーしたつもりがデリプロSTです。
急いでデリプロSTに移動
到着したは良いがどこに着車したら良いか分からず空いてるスペースに停めたら
ここは車が通る場所だからこっちに停めてと
社員(デリプロ)さんらしき人に「初めて来たんですが・・」
すると手招きされてロールボックス(6バッグ入ったカゴ)を指さして
「これ積んで!」
「あのぉ~! 初めてなんですが・・」
「さっさと積んで行ってきて」
キレ気味に言われたのでとりあえずは不在票とスリーアテンプシールだけ持って配達へ
配達先に着いたものの荷物がどこにあるのか? アプリの使い方も分からず試行錯誤の末やっと一軒目の配達完了
こんな調子だから1時間で回れる件数はせいぜい5.6軒
初日は大量の未配荷物(その後も未配は続きます)を持ち戻りしました。
フレックスは最初の20回目まではナーサリー期間として通常より荷量が少ないのですが、それでもまるっきりの素人が配達すると少ない荷量でも未配を出します。
※未配とは配達時間内に配れなかった荷物を指します。
フレックス5回目にてマザーSTのプロドライバーから「このまま未配を続けたらナーサリー明けには垢バンになりますよー」
軽貨物を稼働して一か月も経たない内に先行き不透明になってしまう
どうやったら未配を出さずに済むかXで軽貨物の先輩方にいっぱい質問をしますが
文章だけでは分からない事がたくさんあります。
とりあえずは荷物探しが少ない短い時間(荷量が3~4バッグで少ない)でフレックスに慣れるしかないと思い
本業(会社)が終わった後の3~4時間のオファーを中心にフレックスを続けること3か月
短い時間での未配を出さなくなったので昼間の6時間オファーにチャレンジする決意を固める
・・・・またやってしまった
マザーSTではなくデリプロSTにエントリーした事に朝気づく
ロールボックスを見ると12バッグにバラ(バッグに入っていない荷物)多数 総数130個
バッグのままだと積みきれないので全バッグをバラして積込み
現地に到着するも荷物が混ざってしまいどこに荷物があるか分からない
荷物1つ探すのに5分以上
配達をしているとSTから電話が鳴り時間なので戻ってください
63個の未配記録達成!
どうにもならない虚無感を背負いながらSTに到着
未配の荷物をおろしているとプロドライバーがボソッと
「迷惑なんだよ」
確かに迷惑を掛けているので反論することも出来ずに帰宅しました。
大量未配をXの先輩方に報告ポスト
その先輩方の中で同じマザーSTに来ている方がいたので
次回の配達時に初顔合わせ
フレックス配達方法をたくさん伝授していただきました。
それからはフレックスにエントリーした際にはラインで連絡をして
荷量・エリア・その日の結果報告
都度都度アドバイスをいただき何とか時間20軒程配れるレベルに到達
当時(今もかな?)フレックスのオファーが安定しておらず
副業としては良いけど本業には出来ない状況でした。
デリプロ
Xで最初にフレックスを薦めてくれた方からデリプロ(アマゾンが委託している配送)で安定稼働が見込める情報をいただき
毎週日曜日をデリプロで配達を始めます。
社長さんも良い人で3か月ほど経ってから
週5でも安定して仕事があるか確認したら大丈夫との回答がありました。
本業(会社)を辞めデリプロに行く決断をした瞬間です。
デリプロを始める時の注意点
1 なるべく1次受けのデリプロを選ぶ(日当が違う)
2 メインで配達するエリアを聞く(エリアで配達難易度が変わる)
1 最低ライン20000円で取捨選択
2 軽貨物は多重下請が横行しており2次3次受けと下に行くほど安くなり発言権も弱いのでエリアも厳しくなる傾向アリ
※ これは個人的な意見ですのですべてが当てはまるかは分かりません
フレックスとデリプロの違い
F 安定したオファーがない
デ 安定して稼働出来る
F 出ているオファーを見て自分の好きな時間帯でエントリー(24時間前までキャンセル可能)
デ スケジュール通りに稼働 午前・午後2回の配達(雨が降ろうが雪が降ろうが)
F 週稼働時間上限50時間(セール時60時間)
デ週稼働時間上限60時間
F セール時インセンティブが高い
デ 委託会社がインセンティブまで中抜きする可能性アリ
F キューブアウト(積みきれないデカい荷物を拒否)出来る
デ 基準が管理会社社員によって違い基本は全部積む
F 毎回配達エリアが違う
デ 基本的には毎日同じエリア
F 全体の荷量が少ない時には荷物が減るOR待機(他でヘルプ要請が無ければ)
デ 決まった荷量
どちらも基本的には狂ったような荷量を時間内で配達します。
デリプロではとにかく目の前の荷物を早く配る事がけを考えているので毎日の時間経過が物凄く早く感じるようになります。
デリプロでの1日の歩数は15,000歩前後になり若い方でもヘトヘトになる仕事を60過ぎの人間がやるのだから
覚悟は必要です。
時間効率を考えての配達中にトイレなど行ってる暇がないので極力稼働前は食べないように気をつけていました。
会社(ディスクワーク)からデリプロに移って良かったこと
身体を動かしていると食欲旺盛になり無駄な贅肉がなくなり若々しくなります。
副業でやっていた頃は就業時間が終わってから、休日に軽貨物をやっていたので休みが殆どない状態でしたがデリプロが本業になった事で休みの日が出来た。
成果と安定
デリプロ稼働から約1年ヤマト運輸の配送を経て現在はアマゾンハブ
スケジュールは安定。収入面だけでなく、仕事への誇りや充実感も得られました。
「未経験だから無理だ」と思っていた軽貨物業界は、私にとって新しい人生のステージとなったのです。
まとめと教訓
年齢は挑戦の障害にはならない
未経験でも、学びと行動次第で安定した収入が得られる
軽貨物業界は、
人生の第二章を切り開く可能性を秘めている
定年後の働き方は、必ずしもデスクワークやパートタイムだけではありません。
軽貨物ドライバーという選択肢は、体力と意欲さえあれば、誰にでも開かれています。